感染症の集団感染への対策が求められる理由

感染症の厄介なところは、各種施設で集団感染が起こり得る点です。たとえ1人であっても、施設内に感染症にかかった人がいれば、その人から感染症が広がりかねません。人の出入りが多い施設で集団感染が起こった場合、感染が爆発的に広がる可能性も十分にあります。集団感染に特に気をつけなければいけないのが、体調を崩した人が訪れる病院、そして高齢者が利用する介護施設です。

介護施設を利用するのは高齢者ばかりではなく、難病や脳梗塞などの後遺症の影響で若いうちから介護施設を利用する人もいますが、圧倒的に多いのは高齢者です。高齢者の多くは、免疫力が相当に落ちているので、普通の風邪であっても油断はできません。インフルエンザや、2020年以降流行が続いているコロナウイルスなどの、普通の風邪と比べて症状が重くなりやすい感染症は、高齢者にとって極めて危険な存在ですので、介護施設側がしっかり対策を行う必要があります。

介護施設で働く人が特に気をつけなければいけないのが、自らが感染症にかからないようにすることです。デイサービスや老人ホームなど、施設の種類によっても関係者の出入りの頻度は変わってきますが、いずれにしても外から感染症が持ち込まれるケースが多いため、介護施設で働く人は、自らが感染源となることを避ける努力をしなければいけません。もちろん、感染症が施設内で確認された際、他の利用者に感染が広がらないよう適切に対応することも大事ですが、最も大事なのは感染症の水際対策です。